今年の梅仕事が、ひと区切りつきました。
5月の小梅から始まり、知り合いのお宅の梅の木から収穫させていただいた梅、そして注文していた南高梅。気づけば今年は、3回も梅仕事をしていました。
梅干しにしたものだけで、合計9キロ。そのほとんどは、88歳になる父のもとへ届けました。

88歳の父と梅干し
父には、何十年も続けている朝の習慣があります。
毎朝、梅干しと緑茶をお伴に1時間ほどかけて新聞を読むこと。現役時代から続いているこの習慣は今も変わりません。父にとっては、この朝の時間が1日の大切なリズムになっているのだと思います。
毎年、途中で梅干しが足りなくなり、市販のものを買うこともあるのですが、中国産は好まないので、今年はたっぷり仕込むことにしました。減塩はせず、ミネラルたっぷりの海塩で漬けています。
因みに私は、天日干しもしません。あれ、なかなか大変ですよね。伯母から教えてもらった方法ですが、今までカビが生えたことはありません。
毎日、水が上がってくる様子を確認するのが楽しみで、ちょっとドキドキ、ちょっとワクワク。時々ふたを開けて、梅の香りを楽しむのも好きな時間です。
そして今年も、無事に梅干しが完成し、先日、父のもとへ届けることができました。今か今かと待っていてたみたいで、とても喜んでくれて、「今年も梅を漬けてよかった」と思いました。

畑の紫蘇で、梅か鮮やかに
梅干しづくりで楽しみなのは、紫蘇です。

我が家の畑では、こぼれ種から育った紫蘇が元気に育ってくれました。収穫した紫蘇を塩もみして梅に加えると、少しずつ梅酢が鮮やかな赤紫色に染まっていきます。この変化を見るのが、私は大好き。
梅を漬ける。
紫蘇が育つ。
紫蘇を加える。
梅酢が染まっていく。
どれも一日で完成するものではありません。毎日少しずつ様子を見ながら、待つ。そんな時間も、梅仕事の楽しみのひとつです。

梅干しを作ったら、梅酢も紫蘇も全部使う
そして、梅干しができたら終わり……ではありません。
私にとって梅仕事は、梅干しを作ることだけではなく、梅も、梅酢も、紫蘇も、できるだけ全部使い切ること。これも楽しみなのです。
まず、梅干しを漬けた時にできる、きれいなピンク色の梅酢。私はこれを、紅生姜を作るだけでなく、普段の料理の調味料としても使います。

お料理に少し加えると、ほどよい酸味と塩気がプラスされて便利。
梅酢を煮詰めて「梅塩」にすることもあります。梅の風味が残ったピンク色の梅塩は、いつもの料理に少し振るだけでも楽しめます。

そして、紫蘇も捨てません。梅から取り出した紫蘇を乾燥させて、細かくすると、ふりかけや「ゆかり」に。ごはんにかけたり、料理に使ったり。
こうしてみると、梅仕事って、梅を漬けて梅干しを作って終わりではないんですよね。
梅干しになった梅。
料理に使える梅酢。
煮詰めて作る梅塩。
乾燥させて楽しむ紫蘇。そして、紅生姜。
できるだけ、全部使う。
この「最後まで使い切る」という感覚も、私が季節の手仕事を好きな理由のひとつです。

今年は、生姜も育てています
梅仕事の延長で、楽しみの一つが紅生姜。私は毎年、このピンク色の梅酢と紫蘇を使って、新生姜を漬け、紅生姜を作るります。

梅干しを作ったからこそできる梅酢。その梅酢が、今度は紅生姜につながっていく。こういう「次につながっていく感じ」が、今の私は気に入っています。
そして、今年はさらに楽しみがあります。初めて生姜を栽培しています。春に植えた生姜が、今、畑ですくすく育って秋に収穫の予定。

収穫した自家製の新生姜を、自分で作った梅酢と紫蘇で紅生姜にする。今から楽しみで仕方ありません。
買えば、すぐに手に入る紅生姜。スーパーに行けば、新生姜だって買うことができます。それでも、自分で育てて、収穫して、漬ける。
そこには、買ったものとは違う楽しさがあります。「できあがったもの」だけではなく、「できあがるまでの時間」も楽しめるからです。
季節の手仕事は、心を整える時間
梅仕事をしていると、自然と「待つ」ことになります。梅も、紫蘇も、生姜も、こちらの都合では育ってくれません。
「そろそろできたかな?」と思っても、まだだったりする。必要なことをして、あとは待つ。そんな時間です。
普段の私は、早くしなきゃ。
もっと効率よくしなきゃ。
ちゃんとしなきゃ。
と、つい考えてしまいます。でも、自然はそんな私の都合には合わせてくれません。
梅は梅のペースで。
紫蘇は紫蘇のペースで。
生姜は生姜のペースで。
その様子を見ていると、「そんなに急がなくてもいいんじゃない?」と教えてもらっているような気がします。だから私は、季節の手仕事が好きなのかもしれません。
手を動かしている間は、頭の中の余計なことを考える隙間も少なくなります。気づけば、目の前の梅や紫蘇のことだけを見ている。そんな時間が、私にとっては心を整える時間になっています。

「健康のために何かをする」だけではなく
健康のために、運動をする。
栄養のあるものを食べる。
睡眠をしっかりとる。
もちろん、どれも大切です。でも、それだけではなく、
季節を感じる。
土に触れる。
手を動かす。
何かが育つのを待つ。
できたものを最後まで大切に使う。
誰かの喜ぶ顔を見る。
そんな小さな時間も、心と体を整えることにつながっているのではないかなと思います。
特別なことをしなくてもいい。自分が心地よいと感じる時間を、暮らしの中に少しずつ増やしていく。私は、そんな「心地よい暮らし」を大切にしたいと思っています。
梅から紅生姜へ。そして、次の季節へ
今年の梅仕事は、父に梅干しを届けるところまで無事に終わりました。
でも、まだ続きがあって、秋には「自分で育てた生姜」で紅生姜。ひとつの季節の手仕事が、次の季節の楽しみにつながっていく。そして、できたものをできるだけ無駄なく、次の暮らしへつないでいく。
そう考えると、暮らしって面白いなと思います。未来のために何か大きなことをしなくても、
今日、梅を漬ける。
今日、畑の紫蘇を見る。
今日、残った梅酢を料理に使う。
今日、生姜の成長を眺める。
そんな小さな積み重ねの先に、また次の楽しみが待っている。「未来を育てる」って、案外こういうことなのかもしれませんね。
梅干しを漬けることも、生姜を育てることも、私にとっては「心を整える時間」のひとつです。
忙しいと、つい「もっと頑張らなきゃ」と思ってしまいます。でも、本当に必要なのは、頑張ることではなく、自分の今の状態に気づくことなのかもしれません。
私のライフコーチングでは、そんなふうに「今の自分の暮らし」を一緒に見つめる時間をつくっています。
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